新型コロナウイルス感染症の蔓延をきっかけに、昨年からテレワークの普及も進んでいます。今まで法人携帯を使ってきた企業も、そうでなかった企業も、コロナをきっかけに使用頻度が増えたり、新規で契約を開始したりと需要が増えているようです。
そんな中、悩むのが「法人契約(=購入)」と「レンタル」のどちらにすべきかではないでしょうか?それぞれメリット・デメリットがあるので、しっかりと理解した上で決めたいものです。そこで今回は、携帯の法人契約とレンタルの違いとメリット・デメリットについてご紹介いたします。
法人契約とは?
まずは携帯を契約(=購入)する場合の2つの種類について解説したいと思います。一般的に、携帯を使おうと思った時、個人で契約することを「個人契約」といい、企業が契約することを「法人契約」といいます。
個人契約と法人契約と聞くと、「もしかして選べる機種が違うの?」「グレードに違いは?」と思われるかもしれませんが、違います。
両者の違いは「料金プラン」にあり、実は法人契約の方が安いことが多いのです。
法人契約には審査がある
もちろん、そんなお得となると「法人のふりをして契約しよう」と考える人もいるかもしれませんが、法人契約には事前審査があるので不正はできません。審査を通過することで、個人契約より基本料金が安いプランで契約できるようになっているのです。
レンタルとは?
レンタル携帯には、「端末だけレンタル」「SIMカードだけレンタル」「両方レンタル」の3つの形態があります。どのタイプを選ぶかで料金もかなり違ってきます。
携帯をレンタルするとなると、「海外旅行先で」という人も少なくないかもしれません。一般的には、短い期間だけ使う時にレンタルを選ぶケースが多いようです。
【レンタル携帯の主な用途】
・海外からの一時帰国で使いたい時
・プライベート用と短期間の仕事用で使い分けしたい時
・セミナーやイベントなど短期間で使いたい時
レンタル携帯の場合は、なんといっても長期的な契約期間のしばりがないので、必要な時だけ使えるので手軽さが一番の魅力です。
またレンタルの場合、携帯電話会社大手キャリアが提供しているサービスのほか、レンタルを専門とする業者によるサービスもあります。自分に合うニーズや料金などを見て、どこで契約するかを決めることになります。
法人契約のメリット・デメリットは?
携帯の法人契約には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?さっそく見ていきたいと思います。
法人契約のメリット
①通話料金が安く済む
前述した通り、個人で契約するよりも料金が安いため、リモートワーク等で通信コストが増えてきているようであれば法人契約がお得になります。
②セキュリティが強化されている
社員が個人の携帯で業務を行っている場合、万が一社員が携帯を紛失した時に、その企業の大切な情報が漏れてしまうリスクがあります。法人契約にはセキュリティ強化サービスが含まれているので、そうした事態に対応することができるようになっています。
③社内情報が共有しやすい
社内で共有したい資料や情報が外出先からも簡単にアクセスできるので、業務の効率化が図れます。
④経費として計上できる
社員が個人の携帯で業務を行っていると、月々の清算業務も煩雑になりがちです。一方、法人契約ならそうした請求も一括で管理することができます。また端末購入でかかった費用も経費で計上することができるので、経理処理が楽になります。
⑤アフターフローが安心
法人契約には「さらなるコスト削減は?」「最適な製品は?」「故障・紛失した時は?」などのアフターサービスも充実しています。
法人契約のデメリット
審査を通らなければ契約できない
法人契約をするためには、審査があります。そもそも法人格のない個人では契約することができません。さらに審査を受けるにあたって、必要となる証明書類をそろえるだけでなく、与信審査なども行われることもあります。
社員がプライベート使用していないかを管理する必要が出てくる
法人契約した携帯を社員に使わせるにあたり、プライベートで使用していないかを管理する必要性が出てきます。社内ルールも併せて周知していくことも必要になってくるため、その点の手間暇がかかります。
レンタルのメリット・デメリットは?
次に携帯をレンタルする時のメリット・デメリットも見ていきましょう。
レンタルのメリット
①短期間使用に最適
一度契約すると年単位で使い続けなくてはならない法人契約に対し、レンタルなら最短1日からできるので、イベント、セミナーなどといった短期間での使用や、突発的な出張の際の利用に最適です。
②端末を経費として計上する必要がない
購入(=資産化)することで経費として計上する必要が不要のため、より手間暇を省くことができます。
③購入するよりも安く済む
法人契約では端末を購入する必要があるため、初期費用が多くかかりますが、レンタルであれば購入代金が不要なのでコストを安く抑えることができます。(※ただし、レンタルを長期間使用すると、法人契約で購入した場合のコストの方が総合的に安くなる場合もあるので、目的と使用期間をあらかじめ検討しておきましょう。)
④紛失・故障するとすぐに対応してもらえる
法人契約では、端末を購入している以上(その端末が)故障した場合は修理に時間を要することもありますが、レンタルならすぐに代わりの端末に交換してもらえるので、業務に支障がほとんどないと言えます。
レンタルのデメリット
①レンタル期間終了後に端末を返却しないと損害金が発生する
レンタル携帯は、あくまでも「借りている」だけなので、契約期間が終了したらすみやかに返却する必要があります。万が一、返却を忘れてしまっていたり、無くしてしまったりすると、高額な損害金を請求されることもあるので要注意です。
②初期レンタル期間中の機種変更や解約は違約金が発生する
法人として携帯をレンタルすると、「初期レンタル期間」が設定され、この期間中に端末の機種変更や解約をしようとすると、高額な違約金が発生してしまうので、こちらも要注意です。
③アフターサービスが少ない
レンタルした端末がいざ故障した時、メモリーデータの復旧などのサポートはないため、定期的に使用者側がバックアップを取っておく必要があります。万が一、重要なデータが入っている時は要注意です。法人契約と比較すると、どうしてもアフターサービスの手薄さは否めません。
法人契約とレンタルは「使用期間」「目的」「費用感」で選ぼう
以上のことからも、企業が携帯を法人契約にするかレンタルにするかは、3つのポイントで決めるのが良いでしょう。
- 使用期間
- 目的
- 費用感
どちらがいいかは業種にもよりますが、今後もリモートワークが続く状況があるようであれば、法人契約の方が良いかもしれません。
また上記以外にも、「アフターサービスの有無」「情報漏洩リスク」「万が一の故障時の対応」などもぜひ考慮していただきながら、最終的に決めるのが良いでしょう。