事業によっては、切っても切れないのが「社用車」の利用。
たとえば、外回り社員を多く抱える企業にもなると、毎月の経費だけでも相当な額になるでしょう。かつては営業用の車を一括購入された時代もありました。
しかし、最近新たな選択肢として社用車に「カーリース」を選ぶ企業が増えているのはご存知でしょうか?
そこで今回は、企業で車を使う際に知っておきたい「カーリースと購入で生じる違い」についてご紹介いたします。現在、社用車を購入、またはリースをご検討中の皆さまの参考になれば幸いです。
「カーリース」とは?
不動産業や医療業界等々、車の使用頻度が高い企業ではいわゆる「社用車」が必須です。なくては業務に支障が出てくるため、購入するか、またはカーリースするかで迷うところです。とはいえ、今まで利用したことがないと「カーリースという仕組みがイマイチわからない」「どんなメリットがあるのか?」と思っているケースもあるでしょう。
まずはカーリースのしくみについて触れておきたいと思います。
カーリースとは?
「カーリース」とは、顧客が希望する車をカーリース会社が代行して購入し、一定の期間に渡って顧客に貸し出すというサービスです。毎月決まった料金で車を借りることができるので、一括購入のように大きな資金を用意する必要はありません。また、契約期間中は納税手続きなどの業務負担もないため、忙しい企業側にとっては便利だと言えます。
法人カーリースは2種類法人カーリースの契約の種類は、主に2種類あります。
①ファイナンスリース
カーリース会社が顧客に車を「物融」する方式。顧客は車両代金や税金、保険料などの費用を定額料金で支払うことで車が使えるメリットがある一方、車の保守管理等の費用は負担する必要があり。(※カーリース会社によっても内容が異なります)
②メンテナンスリース
ファイナンスリースのサービス内容に含まれていない保守管理費用まで含まれた、よりサービス色の強い方式。顧客にとっては、車1台にかかる費用がわかりやすく、保守管理の手間もかからないというメリットがあります。
法人カーリースは「経費」で落とすことが可能
カーリースをするのは法人(=企業)だけでなく個人のケースもあります。
両者の違いは、経費で落とせるかどうかにあります。
個人でカーリースを利用する場合は、残念ながら特に節税効果はありません。一方、法人でカーリースの契約をする場合は、リース料金を経費として落とすことが可能です。
結果として、(企業で契約する台数にもよりますが)年間で数十万円から数百万円単位での節税が可能となるのが、法人がカーリースする際の最大のポイントとなります。
カーリースと購入、実際の違いについて
いよいよ、カーリースと購入の比較に入りたいと思います。
企業にとっては、いくら仕事で日々使うとはいっても、車を購入するための購入費や駐車場などの維持費などを加えると、決して安くはない金額となります。
できるかぎりコストを抑えたいと思うのは当然ですよね。
そこで気になるのが、実際の「差」ではないでしょうか?そこで、両者をわかりやすく比べてみました。
カーリース利用と購入・ローンの違い
カーリース利用した場合 | 購入・ローンした場合 | |
車両代 | 月々一定額のカーリース料金のみ | 購入時にまとまった資金が必要(頭金など) |
税金・保険料 | (メンテナンスリースで契約した場合)自動車税や重量税、自賠責保険料などはカーリース料金に含む | 都度、一時払い |
点検・整備 | (メンテナンスリースで契約した場合)カーリース料金に含む | 都度、一時払い |
所有者名義 | カーリース会社 | お客様(法人) |
使用者名義 | お客様(法人) | 購入:お客様(法人) ローン:ローン会社(所有権留保) |
経費処理 | 全額経費処理 (リース資産として資産計上、減価償却が必要になる場合があり) | 固定資産として計上 |
車両管理業務 | 最大約90%の削減効果 | すべてお客様で実施 |
車両処分 | 車両返却 | 売却・経理処理 |
法人で利用するなら、やっぱり「カーリース」がお得
表をご覧いただいた通り、両者を比べるとやはりカーリースを利用した方がお得ということがおわかりいただけるかと思います。
カーリースは毎月の支払いを「経費」として落とせるので、企業としても節税効果が見込めます。仮に、車を購入した場合であっても「購入額の一部」は経費として計上することは可能ですが、「支払った額のすべて」までは経費として落とすことはできません。
これは、車が減価償却の対象になるためです。
さらに、カーリースであれば確定申告の際に必要な領収書も非常に少なくなります。
そのため、毎月の領収書を管理する手間ひまや、領収書を月ごとに整理して計算するといった事務作業にかかる時間もカットすることができます。
このようにいいこと尽くめのようにも思われる一方、デメリットもあります。(後ほど紹介予定)
企業によって、業種によって、リースしたい台車数によって等、いろいろと条件もわかってくるとは思いますので、改めて条件を整理した上でどちらにするかを選ぶのが良いのではないでしょうか。
カーリース会社を選ぶ際にチェックすべきこと
最後に、カーリース契約を始めようと思った時に【検討事項】として、これだけは確認しておいた方が良いチェックポイントをご紹介いたします。
検討事項①:リース可能期間
法人でカーリースを利用する場合は、3年、5年、11年と、会社によってもさまざまです。一般的に、契約期間が長いほどリース料金も安くなる一方、途中で車種を変えたくなった場合は中途解約となり違約金が発生するため注意が必要です。法人で使う場合は、どれくらいの期間、(自社に)車が必要かをあらかじめ整理した上で、選びましょう。
検討事項②:車の種類
カーリース会社によっても選べる車は異なり、たとえば自動車メーカーの子会社として自車ブランドをメインとする会社もあれば、いくつかのグレードのある車種を選べる会社や、新車から中古車まで幅広い選択肢のある会社もあります。
そこで、法人でカーリースをする場合は、どんな車種が必要かを検討した上でカーリース会社を選ぶのも良いかもしれません。
検討事項③:メンテナンスプランを含めた料金
カーリース会社によっても、ホームページに表示されている料金に含まれる各種サービス内容が異なります。たとえば、ひと月あたりの料金が高く感じたとしても、実際は任意の保険料が含まれていて実はお得であるケースもあれば、車検代が別途必要でオプションとなるところまでさまざまあります。カーリース会社を選ぶ際は、表示料金にどのようなサービスが含まれるのかを確認しましょう。
いかがでしたか?
今回は企業がカーリースと購入をするとしたら、どちらがよりお得かをご紹介しました。これから社用で車を調達する必要があるなら、一度【法人カーリース】も検討してみてはいかがでしょうか。